お出汁をきかせた和食とフランス田舎料理
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2025年もたくさんの皆さまにお通いいただき感謝の一年でした。2026年もどうぞ宜しくお願いいたします。
新年はやっぱり、お出汁のきいた和食でほっこりと始めたいものです。
一汁三彩の1月は今年も和食の基本のキ、丁寧にお出汁を引いてみる回です。
毎年恒例のこの回は、一番出汁を引くところから始めます。
「umami」という言葉が外国の辞書にも載るほど、お出汁は日本が世界に誇る食文化のひとつ。
「何か物足りない」「味は濃いのに味気ない」「大味」など料理の輪郭が冴えない時は、お出汁が不足しているかもしれません。
この回では、お出汁の役割をしっかり意識して、正しく(でも簡単に)お出汁を引き、このお出汁で大根の煮物と茶碗蒸し、そしてお味噌汁を作り、副菜にもお出汁を効かせてみます。
自分で丁寧に引いたお出汁を余すことなく使った基本の和食は、身体と心にじんわりやさしく沁み入ります。
大根の煮物と聞くと連想する風呂吹き大根ではなく、お肉を合わせてボリュームを出したあんかけスタイルに、ご飯にもお酒にもよく合うおうちリピート率の高い人気お菜に仕上げました。

↑時間内に煮えるようお大根は薄めに切っています
茶碗蒸しはお出汁たっぷりでふるふる滑らかに仕上げます。
作ってみるととてもヘルシーで栄養価の高いおかずだと分かります。消化もよく温まるのでお夜食やダイエットにも最適です。
蓋付き碗で蒸すのが一般的ですが専用の器がなくても作れますよ。
その他、早春の味覚菜の花をからし和えに、お出汁を堪能できるシンプルな具材でお味噌汁も作ります。

↑味付けはなんと塩だけ!お出汁と具材の旨みがたまりません
後半はフレンチ。気取ったほうではなく、ほっこりした冬の田舎のフレンチです。
メインはフランス南東部、アルプス山脈の麓のドーフィネ地方が発祥のポテトグラタン、グラタンドフィノワです。
全てのグラタン料理の起源とも言われる料理で、綺麗に切り揃えたポテトをクリーミーなソースでぐつぐつと煮込むように焼いて作ります。
作り方は諸説・流派がありますが、今回は伝統的な作り方を踏襲してみました。じゃがいもを美しく並べるのがポイント。
写真は一人前サイズのフランス骨董のグラタン皿で作りましたが、当日は大きく綺麗に作って取り分けていただく予定です。

↑ホワイトソースを使わないタイプのグラタンです
もうひとつ、メインを張ってもおかしくない煮込み料理、ガルビュールをご紹介します。こちらは南西部の郷土料理で、塩漬けにしたお肉と豆を野菜と煮込んだスープです。
簡単にパンチェッタ等で作れますが、当日は塩漬け肉も手作りしてみましょう。
